外来種駆除のために仕入れられたハゼが毒化!?釣れる場所を考えないと有害物質を食べるハメに..

外来種の魚介類は元々の生態系にいなかった事からこれまでになかった被害をもたらすとされていますが、貝類も例外ではありません。有害物質を取り込みやすい貝類による2次被害とはいったい…!?

バラスト水に乗ってやってきた外来種により日本固有の魚が減っている…

バラスト水と呼ばれる大型タンカー船や貿易船が積荷を降ろした際に取り込む水のことをご存知だろうか。バラスト水とは、大型船が荷物をおろした分の重さをおろしさきの海水を取り込むことで船の重さを一定にするためのものである。

具体的には下図のように、荷物を積む際に予めいれておいたバラスト水を排出し、荷物を積むのだが、このバラスト水は、載せた荷物を下ろす際にその地域の海水を取り込むのである。よって、日本からアメリカに荷物を大型船で輸送する際、日本に停泊している船からバラスト水が排水される。この時、外国の水を取り込んでいると、海外の魚や貝などが日本の海に放出されるのである。

アメリカ5大湖でも外来種:ゼブラマッセルが大問題に!

最も有名な被害として、アメリカの5大湖にて、「ゼブラマッセル」という貝が問題になっています。元々ヨーロッパの黒海にいた貝なのですが、アメリカで大問題を起こしています。大きさはしじみ程度の大きさなのですが、この貝が群化し、発電機や漁師の網にひっつくことで問題となっています。

ゼブラマッセル(Zebra Mussel)
大きさはしじみ程度

ゼブラマッセルの群化により、引き上げれなくなっている様子

ちなみにですが、このゼブラマッセルは、世界の侵略的外来種100にも選ばれるほどの貝です。

ゼブラマッセルの駆除に用いたハゼが毒化?

このゼブラマッセルを駆除するのに、天敵のハゼの一種である「ラウンドゴビー」呼ばれる魚が5大湖に放たれたのですが、後々問題になります。

ラウンドゴビーはゼブラマッセルを好んで捕食することから、駆除に最適と考えられていたものの、ゼブラマッセルが水中で有害物質を吸収して成長するため、それを大量に食べるゼブラマッセルも有害物質を蓄積することとなります。

この有害物質は人間にとっては毒のため、ゼブラマッセルが毒化し、そのゼブラマッセルを食べた他の魚も毒化するという事態を引き起こしました。

ラウンドゴビー

日本でも起こりうる問題?

日本では、ゼブラマッセルはまだ確認されていないものの、ホノビス貝などの外来種が多く入っており、水質の悪いエリアでも多数確認されています。ただ、ホノビス貝はかなりの大きさになり、天敵も少ないため、他の魚が食べることも少なく、有害物質が凝縮される可能性は低いでしょう。

人間は、貝ばかりを食べることもないので毒が蓄積するということはありませんが、貝を捕食する魚や甲殻類はダイオキシンなどの有害物質を溜め込みやすい事で有名なので、気をつけていきたいですね。

はまぐりによくにた味のホノビス貝(大きいものは10cm以上にもなる)

日本でハゼの釣れる時期は?

日本に生息するハゼはいつ頃釣れやすい時期なのだろうか。

一般的に大きく成長したハゼが多く釣れるシーズンは夏から秋終わりにかけての8月下旬から11月頃までとされています。

また、ハゼ釣りの良いところは、夏場の日差しが強く、水温が魚の活性が下がるときでも連れやすいことだ。日中でも狙えるため、家族釣りにはもってこいの魚となっています。ちなみにハゼの活性が特に高まるのは満潮直前の2時間とされている。これは 満潮が近づくにつれて、大きなハゼからどんどん浅場に上がってくるからである!

まとめ

本日は、外来種のゼブラマッセルを捕食するハゼが毒化するという現象について、まとめてみました。外来種である貝が毒化するというなんとも珍しく危険な現象ですが、知っておくだけで釣りをするときに気をつけれるかもしれませんね。

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