なぜ防波堤が絶好の魚の餌場(微生物の溜まり場)となるのか、徹底図解してみた!

釣り人にとって、だれしもが一度は訪れる防波堤、サビキ釣りをしたい初心者から青物狙いのプロまでなぜ堤防に魚が集まるのだろうか?実際の実験研究も踏まえてご紹介!

なぜ防波堤の壁際には魚が集まりやすいのか

防波堤に魚が集まるのには理由がある。それは、魚にとって、豊富な餌が供給される場所となっているからである。下の図を見てほしい。

防波堤が魚にとって絶好の餌場となる理由

防波堤には浮遊している環虫類、カラス貝などの幼虫が潮に流されてくることで、壁に定着する。そして、年数が立つにつれて、防波堤の壁際には、カラス貝の密集し、内側には青イソメやゴカイなどの環虫類が生息するようになり、蟹や海老などの甲殻類も住み着くようになる。

そのため、防波堤の壁際は、魚にとって絶えず餌を補給することが可能な場所となる。

ある実験では、実験用のマダイを放流し、それらを数週間に渡り、釣り上げたのち胃袋の中を調査した。その結果、防波堤付近のマダイには、環虫類や海藻などの防波堤の餌が全種類含まれており、様々な餌を捕食したことがわかった。

マダイを使用した実験の結果

しかし、沖合に逃げたマダイの胃袋は、空っぽで何も入っていなく、沖合ではかんたんに餌を得ることができず、体力を消耗してしまっていたということが報告されている。

この研究結果が面白いのは、我々が創造する以上に防波堤は、沖合に比べて比較的豊富な種類の餌を供給する場所である事を示していることだ。

本サイトでも水中動画を撮影し、投稿しているが、沖合には目立った岩礁がなく、水中にはなにもないことが多い。一方で、壁際には、貝などが目で見てわかるぐらいに繁殖していることも多く、やはり魚にとっては絶好の餌場となっている。私達、釣り人は、水中を見ることはほとんどなく、沖合に魚がいると思いがちだが、足元には絶好の餌場とそれを求めてやってくる魚が集まっているのである。

防波堤に撃ち落とされる微生物、それを求めてやってくる魚がいかに多いかを知っているか?

防波堤付近に集まった魚は、堤防の壁に付着している微生物や環虫類を捕食しているように思われがちだが、実はそれだけではない。

もっぱら、堤防に衝突した波で振り落とされた微生物を魚は捕食している。アジやイワシなどが防波堤で、大漁に釣り上げられることを知っている人は多いことだろう。しかし、それが潮の流れがあるときに、堤防にぶつかった波で振り落とされた微生物を狙って集まっている事を知っている人は少ない。

堤防に衝突した波は、次の波と衝突して、潮境を作る。この潮境によって、波で寄せられた微生物と防波堤からこぼれ落ちた微生物が集積する。したがってこの潮境が絶好の釣りポイントとなる(図のAの部分)。

潮流から考える堤防のオススメ釣りポイント

また、潮がぶつかる壁際だけがポイントではない。

図のBのポイントでは、防波堤を通過した潮流の内側に渦流が発生する。この渦流の中に、微生物が発生するので、この場所も良いポイントとなる。

潮流から考える堤防のオススメ釣りポイント(凸堤防)

防波堤の場所取りこそ重要!ただし水中はどうなっているかはわからない!

以上のように、防波堤の中でも微生物と潮流に着目し、絶好の釣り場ポイントとなる場所を紹介してきた。

しかしながら、上記の釣り場が必ず釣れるとは限らない。その理由としては、防波堤の中でも、水中の中にテトラポットが沈んでいたり、岩礁があったりで、そこが良い釣り場となりうることもあるからだ。

結局の所、水中を見てみないとわからないといえばわからないのだが、水中動画を見るにしても、Youtube等にあがっている釣りの水中動画は、どこで撮影されたのか詳細なスポットがわからないと敬遠されがちである。

そこでおすすめしたいのが、地図上でその釣り場のスポットごとの水中動画を確認することができる水中動画マップFicyMAPである。

下に表示しているのが、神奈川県の江ノ島にならぶ有名釣りスポット:城ヶ島をぐるっと水中動画を撮影し、地点ごとの動画に落とし込んだFicyMAPである。

アイコンをクリックして水中動画をチェック!(FicyTechnologyより提供)

なお、本記事に掲載している水中動画マップ:FicyMAPは、株式会社FicyTechnologyにより作成・提供されている。FicyMAPの開発者は、釣り人にとって、水中をより身近にし釣れないときこそ、水中を確認して、餌を変えるべきなのか場所を変えるべきなのかなど、より深く思考できるようにしたいという思いから、開発したツールとなっているので、ぜひホームページを確認してみてほしい!

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ボラが跳ねてる時はシーバスは諦めろ!ボラがいると釣れない理由

釣り場でよく見るボラ、しかし彼らが跳ねている時はシーバスを釣り上げることはできない?!釣り人なら知っておきたいその見極め方とは

ボラが跳ねるのはなぜ?

そもそもボラはなぜ跳ねるのだろうか

ボラが海面を跳ねる理由は、正直な所はっきりした理由は分かっていない。ちまたで有力な説として、体についた寄生虫を落とすためと言われることが多いが、生物学的にはその理由は今だにはっきりとしていない。

また、ボラはジャンプ以外にも秋から冬の間に沖合で産卵することまで分かっているが、実は産卵場所や産卵方法などについてもはっきり分かっていない。

しかしながら、研究者のHoese (1985) はボラがなぜ跳ねるかについて興味を持ち、様々な研究を行っている。その結果、ボラの飛び跳ね行動は、水中の酸素濃度が低い時ほど、よく起こることを明らかにした[1]

しかしなぜ水中の酸素濃度が低いとよく跳ねるのだろうか。

ボラはエラの内側、のどの上部に、空気をためられる釣り鐘状の袋をもっている。ボラが身体を横倒しや仰向けにすると、この袋から空気は出ていってしまう。

ボラが水面から顔を出して泳いでいる時、のどの上部(空気袋の部分)は水面より上にあり空気が通り抜けている。ボラが跳ねるとき、身体をひねって横向きや仰向けで着水することが多い。Hoeseはこれらの観察事実から、ボラの飛び跳ね行動には、酸素の少ない状況での呼吸を補助する機能がある、と結論づけた。

ボラが跳ねるとシーバスが釣れない理由

朝マズメや夕マズメはもちろん、日中でも跳ねることの多いボラだが、シーバスなどフィッシュイーターに追われている場合などプレッシャーのかかった状況でいつものように跳ねることはまずありえない。

もちろんシーバスなどに追われ、水面に飛び出して逃げることもあるが、上記の状況で行うジャンプとは明らかに跳ね方があきらかに異なる。

また、ボラの群れ方もシーバスがついている時は群れが密集し、1匹1匹の間隔狭くなるのに対して、シーバスがボラの群れについていない時には群れが広がり、1匹1匹の間隔は広くなる。

そのため、ボラがジャンプしている状況下ではボラにプレッシャーがかかっていないことが多くシーバスが近くいないため釣れない。

仮にシーバスがいたとしても、活性が良くなく食いつきが悪いことが大いに考えられる。なぜなら、もしお腹をすかせた獰猛なシーバスが近くにいるのに、水面を跳ねて存在をアピールするような事をすれば簡単に狙われるが、それでもはね続けているという事は、シーバスは狙ってこないことが分かるからである。

シーバスとボラ
シーバスとボラ

しかし、例外もある。ベイトとなる小魚が多く集まり、ボラに目をくれることなく、ナブラが発生している場合などは、もちろん狙い目である。

ボラは海底のホコリや生物の死骸を食べている!?

ボラの餌について、餌釣りで釣れる事で有名ですが、実はそうではありません。

ボラは、非常に雑食な性格です!

餌釣りで釣れると思いきや食いつきが悪いのもそのはず、他の魚が食べない海藻なども食べてしまうので、特段お腹が空きすぎるということもない状態で海をさまよってます。

特にボラの場合は、海面を跳ねていることも多いですが、実は海底の海藻を食べていたり、
デトリタスと呼ばれる生物の死骸生物由来の有機物が細かくちぎれたホコリのようなものを吸い込んで食べることも報告されています。

ボラは出世魚?

シーバス(スズキ)が体長によって名前が変わる出世魚なので有名ですが、実はボラも出世魚にあたります。

ボラの名前は、地方によって多少異なるのですが、関東では
「ハク」→「オボコ」→「イナッコ」→「スバシリ」→「イナ」→「ボラ」→「トド」

と言う名前になっています!

ボラ出世魚、大きさと呼び名

まとめ

今回は、ボラが跳ねるときとシーバスの関係について述べてきた。

ボラの習性は明らかになっていない部分も多いが、跳ねている時にシーバスが上がりやすいかといえばそうではないことは明らかである。

ボラが跳ねてるのを場所を変えるひとつのポイントとしてみるのはいかがだろうか

引用論文

H. Dickso Hoese , Jumping mullet—the internal diving bell hypothesis

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